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薬局M&Aの必要性
M&Aとは?
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Merger and Acquisition = 合併と買収
会社や事業の売買
- 「企業の永続・発展のための経営戦略の一手法」
M&Aと聴いてどのようなイメージを持ちますか?「乗っ取り」「吸収」「買収」「ハゲタカ」と悪いイメージがある一方、「友好的」「円滑な事業承継」「永続的発展」「事業拡大」「雇用継続」「創業者利益」というプラスのイメージもあります。
ニュースなどで報じられる大型のM&Aは、しばしば敵対的な買収が大きくクローズアップされるため、M&Aというと未だにグレーなイメージを持つ方も多くいますが、中小企業のM&Aのほとんどが友好的なものです。なぜなら、ほとんどの中小企業がオーナー企業(親族経営)のため、株式保有者は親族で固められています。そのため、敵対的なM&Aでは話が進まないからです。
ひと言で言えば、「会社や事業の売買」ですが、売り手からすれば「経営者としての出口戦略」であり、買い手からすれば「成長戦略の有効手段」と言えます。中小企業のM&Aはそのケースに応じて株式譲渡(経営権・会社まるごとの譲渡)と事業譲渡(事業・店舗の切り離し)を使いわけて行われますが、どちらにしても「企業の永続・発展のための経営戦略の一手法」と言えます。
会社の承継の4つの選択肢
創業期、成長期、成熟期を経て、世代交代にさしかかった会社を承継するには、M&A(第三者への承継)、株式上場、後継者への承継、廃業(清算)の4つの選択肢があると言われています。
1. | M&A(第三者への承継) |
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2. | 株式上場 |
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3. | 後継者への承継 |
親族 |
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役員 |
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4. | 廃業(清算) |
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後継者への承継といえども、そもそもご子息がいない、ドクターになった、継がせる不幸、また、役員・従業員に至っては、億単位となる株式の買取資金や銀行借入の担保や個人保証が引き継げないで頓挫するケースが殆どです。後継者難による廃業は年間7万社とも言われる現在、日本全国において公表されているM&Aだけで、年間2,000件に上ります。M&Aが非常に有効な事業承継の手法となってきたのは間違いない事実です。
調剤薬局業界編
昨今、買い意欲が旺盛な業界は、調剤薬局、プロパンガス、ビルメンテナンスなどが挙げられます。
この業界に共通することは、新たに開拓する市場余地が限られている(業界の市場成長率が鈍化もしくは横ばい)ということが考えられます。
調剤売上高順位表
- ●
- 調剤薬局
- ●
- 卸
- ●
- ドラッグストア
順位 | 社名 | 総売上(百万円) | 調剤売上(百万円) | 占有率(%) | 店舗数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | アインホールディングス | 187,904 | 169,063 | 2.3 | 754 |
2 | 日本調剤 | 181,844 | 157,999 | 2.2 | 510 |
3 | クラフトホールディングス | 135,900 | 130,500 | 1.8 | 600 |
4 | クオール | 114,363 | 103,242 | 1.4 | 536 |
5 | 東邦ホールディングス | 1,162,148 | 92,105 | 1.3 | 520 |
6 | スズケン | 1,969,689 | 88,309 | 1.2 | 450 |
7 | 総合メディカル | 107,945 | 80,660 | 1.1 | 538 |
8 | メディカルシステムネットワーク | 75,548 | 71,743 | 1.0 | 345 |
9 | スギホールディングス | 383,644 | 57,739 | 0.8 | 602 |
10 | アイセイ薬局 | 55,210 | 53,223 | 0.7 | 303 |
11 | ココカラファイン | 349,164 | 45,967 | 0.6 | 234 |
12 | 阪神調剤ホールディング | 50,250 | 45,470 | 0.6 | 218 |
13 | ツルハホールディングス | 440,427 | 44,467 | 0.6 | 325 |
14 | ウェルシアグループ | 380,000 | 43,492 | 0.6 | 687 |
15 | ファーマライズホールディングス | 39,506 | 37,256 | 0.5 | 228 |
16 | トーカイ(たんぽぽ薬局) | 98,159 | 36,751 | 0.5 | 115 |
17 | マツモトキヨシホールディングス | 485,512 | 34,428 | 0.5 | 228 |
18 | フロンティア | 45,490 | 32,100 | 0.4 | 143 |
19 | 薬樹 | 29,900 | 29,900 | 0.4 | 148 |
20 | メディカル一光 | 26,380 | 21,287 | 0.3 | 91 |
その他 | 5,822,999 | 80.6 | 49,425 | ||
合計 | 7,198,700 | 100.0 | 57,000 |
※2015年度各社有価証券報告書、ドラッグマガジン等より抜粋。一部当社推計。
※詳細の把握が難しい企業については除外。
ドラッグストアの売上高順位表
- ●
- NEWイオン系
- ●
- NEWツルハ+レデイ薬局
順位 | 社名 | 売上(百万円) | 占有率(%) | 店舗数 |
---|---|---|---|---|
NEW | イオン系 | 712,279 | 11.9 | 1,622 |
(ウエルシアホールディングス) | (380,000) | (6.3) | (992) | |
(イオンリテール) | (211,720) | (3.5) | (325) | |
(CFSコーポレーション) | (120,559) | (2.0) | (305) | |
NEW | ツルハ+レデイ薬局 | 494,995 | 8.2 | 1,610 |
(ツルハホールディングス) | (440,427) | (7.3) | (1,406) | |
(レデイ薬局) | (54,568) | (0.9) | (204) | |
1 | マツモトキヨシホールディングス | 485,512 | 8.1 | 1,528 |
2 | サンドラッグ | 445,818 | 7.4 | 979 |
3 | ツルハホールディングス | 440,427 | 7.3 | 1,406 |
4 | コスモス薬品 | 408,466 | 6.8 | 656 |
5 | スギホールディングス | 383,644 | 6.4 | 947 |
6 | ウエルシアホールディングス | 380,000 | 6.3 | 992 |
7 | ココカラファイン | 349,164 | 5.8 | 1,341 |
8 | 富士薬品 | 306,714 | 5.1 | 1,208 |
9 | カワチ薬品 | 258,319 | 4.3 | 301 |
10 | イオンリテール | 211,720 | 3.5 | 325 |
11 | クリエイトSDホールディングス | 197,480 | 3.3 | 436 |
12 | クスリのアオキ | 134,994 | 2.2 | 267 |
13 | CFSコーポレーション | 120,559 | 2.0 | 305 |
14 | キリン堂 | 108,033 | 1.8 | 328 |
15 | ドラッグストアモリ | 102,000 | 1.7 | 214 |
16 | 中部薬品 | 80,447 | 1.3 | 271 |
17 | 杏林堂 | 76,190 | 1.3 | 74 |
18 | ゲンキー | 63,143 | 1.1 | 122 |
19 | トモズ | 60,350 | 1.0 | 142 |
20 | 薬王堂 | 57,596 | 1.0 | 182 |
21 | レデイ薬局 | 54,568 | 0.9 | 204 |
その他 | 1,339,124 | 22.3 | 5,476 | |
合計 | 6,009,700 | 100.0 | 17,500 |
※2015年度有価証券報告書等より抜粋。一部当社推計。
※詳細の把握が難しい企業については除外。
調剤薬局市場とドラッグストア市場の売上高対比
厚生労働省の統計データを参考にし、当社作成。
調剤薬局市場は、医薬分業や後発薬推進など医療保険制度の改革を追い風に、市場規模がこの10年間で倍増し、7兆円を超える規模に膨らみ、調剤薬局の店舗数は現在約57,000軒とコンビニエンスストアの約54,400軒を超える店舗数となっております。
ところが、上記図表のように、調剤薬局においてトップ企業のシェアはわずか2.3%、上位10社でも14.0%(調剤薬局専業チェーン上位10社で12.3%)、全体の約7割が個人薬局で構成され、マーケット・リーダーと呼べる企業のいない低寡占市場です。地域によってはオーバーストア状態となっています。対するドラッグストア市場は、トップ企業のシェアが8.1%、上位10社で69.5%と寡占が進んだ市場です。調剤薬局もドラッグストアと同様に規模の経済が働きやすい市場であるため、将来的な寡占化が予想されます。
※各社IR情報及び当社調べ(一部当社推定)
大手調剤の新規出店ペースは、2013年をピークに減少傾向にあり、反対にM&A件数は年々増加を続けてきました。成長力を維持するために、M&Aによる規模拡大が必須となった大手チェーンの買収攻勢の結果、過熱的なバブル相場が形成されました。更に、大手のみならず、中小企業・異業種も薬局M&Aに積極的な姿勢を示しており、今後もM&Aは増加を続けると思われます。
メリット・デメリット
メリット | デメリット | |
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譲受企業 |
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譲渡企業 |
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※1 業界特有の収益構造(調剤薬局・ビルメンテナンス、プロパンガス)。時代の変遷で、新たな事業拡大の機会が薄れてきた業界が特に買い意欲が強くなる。
→M&Aで会社や事業を買うことでしか、新規拡大が難しくなっているため。
※2 水平・垂直統合。
垂直統合:卸の薬局運営拡大、日本調剤のジェネリックメーカー買収など
水平統合:350社あった薬品卸は4社に集約。ドラッグストアもおおよそ大手に集約されつつあり、上位10社の売上高シェアで約70%。調剤薬局は未だ統合が進んでいない。
※3 ドラックストアに多い。資金がショートする前に、ドラッグ事業を譲渡して法人格は清算。破産処理をし、事業と雇用の存続を優先するケースが多い。
薬局M&Aのメリットデメリットは、自社のおかれた状況によって変化します。
進め方によっては、ドクターとの関係悪化や卸経由の風評被害などデメリットとなる可能性もございますので、調剤薬局のM&Aに精通したアドバイザーにご相談されることをお勧めいたします。
ドクターへの説明の仕方とタイミング、これは調剤薬局業界のM&Aにおいて、非常に重要なポイントとなります。
弊社では、数多くの経験から処方元ドクターに確実にご納得頂けるノウハウを保有しており、また、詳細な状況把握をした上で、個々の企業に合った方法をご提案しております。
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