日医工-事業再生ADRを申請
2022.05.13
後発医薬品大手の日医工株式会社(富山県富山市)が、事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)を検討していることが、2022年5月12日に明らかになり、翌13日に申請し、受理されたと発表した。また、日本政策投資銀行やメガバンクが出資するファンドから最大200億円の出資を受けることでも基本合意した。「メインバンクである三井住友銀行から十分な融資枠を確保してもらっている」としている。
日医工は2020年、主力工場である富山第一工場(富山県滑川市)の品質不正問題(GMP違反)で、2021年3月に富山県から業務停止命令を受け、業績が悪化。2021年9月には医薬品卸大手の株式会社メディパルホールディングス(東京都中央区)から9.9%の出資を受け、再建を急いでいたが、13日に発表した2022年3月期連結決算の最終(当期)損益は、過去最大の1048億円の赤字(前期は41億円の赤字)だった。
後発薬各社は厳しいシェア拡大競争を繰り広げてきたが、品質不正問題が相次ぎ発覚。業務停止などで業績が悪化した企業を中心に、再編の機運が増している。2020年には小林化工株式会社(福井県あわら市)が品質不正で業務停止命令を受け、同社は全工場と従業員を同業大手のサワイグループホールディングス株式会社(大阪市)に譲渡している。