2015年11月10日のPHARMACY NEWSBREAKに当社取材記事が掲載されました。
2015.11.10
2015.11.10 PHARMACY NEWSBREAK MACアドバイザリー取材記事
上記リンクより記事データを表示
調剤薬局のM&A店舗 上期619、通期で1200超へ
MACアドバイザリー調べ、売上高換算で約1500億円に
薬局専門M&A(合併・吸収)仲介会社のMACアドバイザリー(東京都)は9日までに、調剤薬局業界でM&Aされた店舗数が今年4月から9月末までの半年間で計619店舗に上ったとの独自集計結果をまとめた。大手調剤チェーンの出店戦略の軸足が純新規出店からM&Aにシフトしており、中小薬局チェーンが買収されるケースも加速。来年3月末までの2016年3月期通年では、M&Aされる店舗が少なくとも倍の1200店舗超、売上高換算で約1500億円近くに上ると試算しており、調剤市場が集約化に向かう傾向を浮き彫りにしている。 【上部リンクよりデータ参照】
●大手の出店戦略の軸足、純新規からM&Aに
集計は、同社が行政に提出される薬局の廃止に関する届け出と新規開設に関する届け出を突き合わて実施。2つの届け出の住所が一致した上で、開設者が変更され、月の1日に指定が行われている店舗を事業譲渡とみなして該当する店舗数を調べた。また大手(一部非上場も含む)に関してはIR資料やヒアリングからM&Aの店舗数を調査した。
その結果、今年4~9月の半年間で大手6社がM&A(株式譲渡された事例含む)した店舗数は294店舗に上った。6社以外に、突き合わせで判明した中小薬局に事業譲渡されたと考えられる店舗が325あり、計619店舗。16年3月期通年では倍の1238店舗、売上高換算で約1483億円に達すると試算した。売上高は、大手6社がIR資料から割り出した1店舗当たりの平均年間売上高約1億4000万円、中小が1店舗1億円とみなして試算した。
株式譲渡の場合は廃止に関する届け出を出す必要がない。このため、中小企業の場合、事業譲渡の店舗数は分かっても、株式譲渡の店舗数は把握できないが、これらを含めれば、M&Aの店舗数はさらに増加することになる。グループ内の再編や、経営者が同じで個人事業主から法人になったケースなどは集計からは除外している。
●純新規出店数は13年3月期をピークに減少
同社はまた、大手調剤薬局8社を対象に、M&Aした店舗数とM&Aを除く純新規の出店数をそれぞれ年度別に調査した。その結果、M&Aの店舗数は毎年着実に増加しつつあるものの、純新規の出店数は13年3月期をピークに減少していることが分かった。
純新規の出店数は13年3月期に238店舗を記録したが、14年3月期には201店舗、15年3月期には181店舗まで減少した。一方、09年3月期に19店舗だったM&Aの店舗数は15年3月期に261店舗に達している。同社の花木聡社長は「(新規薬局の)出店余地が限られてきており、成長戦略がM&A頼みになってきた」と分析する。
純新規出店数の今後に関しては「なくなることは当然ないと思うが、まだまだ減る余地は出てくる」(花木社長)とする一方、M&Aの件数は「まだまだ伸びる」と見立てる。「これまで売上高20億~50億円の薬局の経営者は買いたいと言っていたが、今は逆に売りを検討している。そういうケースが増えると、(M&Aの)店舗数は急激に増える」と見ている。
厚生労働省のまとめによると14年度末の薬局数は5万7784軒で、前年度から713軒(1.2%)増加している。