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2018年3月7日のPHARMACY NEWSBREAK(1-2面)「大手調剤薬局チェーンのM&A、今期「急ブレーキ」」に当社取材コメントが掲載されました。

2018.03.07

PHARMACY NEWSBREAK 2018年3月7日掲載
上記リンクより記事データを表示

大手調剤薬局チェーンのM&A、今期「急ブレーキ」

18年度改定見据え慎重に、前年度182店のアインまだ5店

規模拡大に突き進んできた大手調剤薬局チェーンのM&A(合併・買収)に急ブレー キがかかっている。じほうが上場大手5社を対象に過去5年間のM&A成約店舗数をまと めたところ、2017年度は第3四半期末までの実績で例年を大きく下回って推移。大型 なM&Aが目立った前年度と比べると激減し、前年度に182店舗を取得したアインホー ルディングス(HD)は今期はまだ5店舗にとどまる。18年度診療報酬・薬価改定の行 方を見守る買い手・売り手の双方が売買に慎重になっていることなどが成約店舗数の 伸び悩みにつながっており、18年度以降の動向にも不透明感が漂う。 【関連表(※)】上場大手5社の過去5年間の実績を見ると、M&A成約店舗数は13年度に5社合計で174 店舗、14年度に172店舗、15年度に181店舗と170~180店舗台で推移。大型案件の成約 が相次いだ16年度は一気に440店舗まで増大している。だが、17年度は最終コーナー である第3四半期末までの実績でわずか36店舗。前年度の1割にも満たない店舗数で、 M&Aの仲介会社が「少なすぎる」(MACアドバイザリー)というほどの低調ぶりだ。 大手5社とも今のところ、16年度の実績には届いていない。ただ、大手の中で相対 的にM&Aの少ない日本調剤は第3四半期末で11店舗と、前年度の21店舗には届かな いものの1桁だった13~15年度の実績を上回っている。またメディカルシステムネ ットワークは第3四半期末で5店舗だったが、第4四半期に青森県のアポテック(14店 舗)を傘下に収め、現在は19店舗まで増加。前期の実績で、今期(18年3月期)の目 標でもある20店舗に近づいたため、「ほぼ合格ライン」(メディシス)に到達した。

 

●総合メディ「採算見込めるものに絞って」

一方、アインHDは第3四半期末で5店舗止まり。過去3年間続けてきた毎年度3桁と いう成約店舗数を大きく下回っている。M&Aの店舗数が例年より極度に少ない理由 などについて、投資家や株価への影響を懸念し「今はコメントするのが難しい」(同 社)としている。同HDは昨年12月に開示した第2四半期の決算説明会資料で、今期(18 年4月期)の出店計画を下方修正したことを明らかにした。このうち、M&Aの店舗数 は期初計画の66店舗から43店舗に下方修正している。 これに対し、閉店数(医薬事業)は今第2四半期に39店舗に達し、計画の25店舗を 上回っている。通期で31店舗としていた閉店数の期初計画は60店舗に上方修正しており、これまで以上に収益性を重視しているものとみられる。 前年度125店舗を傘下に収めたクオールは第3四半期末で9店舗、92店舗だった総 合メディカルも6店舗にそれぞれ大幅に実績を下げる。クオールは「改定を見据えて、 (案件を一段と)精査するようになった。このため見送った案件が多くなり、成約 した店舗数が例年より少なかった」と説明。総合メディカルも「改定(の動向)を 予想して、慎重に選んでいる。バー(基準)を上げながら、採算を見込めるものに 絞っている。積極的という方針は変わらない」としている。 M&A仲介会社は、「買い手の意欲はある」(M&Aキャピタルパートナーズ)と、決 して大手調剤チェーンの買収意欲が減退したわけではなことを指摘。相手をより厳 選するようになっているとの見方で一致する。今期は大型門前薬局チェーンの評価 の引き下げが既定路線になっていた18年度改定の動向を見定めたいとの思いから 「半年近く前から様子見ムードがかなり出てきた」(MACアドバイザリー)、「(買い 手・売り手の)両方とも様子を見合っていた感じ」(M&Aキャピタルパートナーズ) といった雰囲気が強まっていた。

 

●クオール「大型なものは少なく」

薬剤師不足や経営者難などで大手各社に持ち込まれるM&A案件数自体は変わって いないようだ。「案件数は多いが、全体的に小規模なものが多く、収益上取り組める (大きな)規模のものは少ない」(総合メディカル)、「小型の案件数は例年通りだが、 大型なものは少なかった」(クオール)とされ、今年度は優良な大型案件が少ないこ とも成約店舗数の少なさに影響しているようだ。 大手に厳しい“改定リスク”が続く中、仲介会社は「金額を相当乗せてまで買う のは控えたいというのが今の大手の考え方」と解説する。17年度に極端にM&Aが落 ち込んだ分、18年度は「18年度は16年度に近い数字に行くと思う」(MACアドバイザ リー)との見立てがある一方、「買い手が慎重になってくるので、例年と比べてそこ まで極端に増える感じではなく、V字回復の感触はない」(M&Aキャピタルパートナ ーズ)との観測もあり、M&A市場の動向は不透明だ。

 

(※)上場調剤薬局 5 社の M&A 店舗数の推移

会社名       17 年度/ 16 年度/15 年度/14 年度/13 年度

アイン HD    5 店舗/182 店舗/110 店舗/119 店舗/26 店舗

日本調剤      11 店舗/21 店舗/5 店舗/1 店舗/4 店舗

クオール       9 店舗/125 店舗/34 店舗/16 店舗/66 店舗

総合メディカル    6 店舗/92 店舗/25 店舗/9 店舗/33 店舗

メディシス            5 店舗/20 店舗/7 店舗/27 店舗/45 店舗

合計                      36 店舗/440 店舗/181 店舗/172 店舗/174 店舗

※2017 年度は第 3 四半期までの実績 ※アイン HD は医薬事業の数字

 

PHARMACY NEWSBREAK 2018年3月7日掲載

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