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薬局業界を取り巻くリスク
現在、調剤薬局業界は他に類を見ないほどの売り手市場です。しかし、あらゆる業界において、永続的な売り手市場の業界はありません。国策としての一貫した医療費削減の流れから、診療報酬の引き下げや薬価差縮小に加え、更なる消費増税(2017年4月10%に引き上げ)に伴い、今後大きな変化が予想されます。ただし、上場企業にとっては株主説明があり、毎年売上利益の増加で応えていかなければなりません。医薬分業がほぼ7割に達した現在、新規出店の機会も厳しさを増しているため、規模の経済を目論む大手企業にとっては、新たに店舗を作るよりも医療機関や地元住民と信頼関係を築いている薬局をM&Aする方が効率的と言えます。そのため、M&Aは未だ活発に行われています。
ただ、それと並行して周辺業界との提携による新たなビジネス展開の模索など、調剤薬局業界自体の変革も促進されてきています。医療費削減のシワ寄せである 収益の激減をどう乗り越えていくべきなのか。規模の拡大か、現状維持か、それとも大手と提携するべきなのか、自社の経営資源をよく踏まえた戦略が必要になっています。
薬局業界の環境分析
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傾向01
医薬分業率の限界に伴う市場の成熟
医薬分業率の限界が70%と言われている昨今、既に分業率は約69%に達しています。成熟期を迎えた調剤薬局業界では、規模の経済を目論む大手企業により、8割超の中小薬局を集約していく動きが、今後さらに加速していくと考えられています。しかし、マーケット的には転換期に位置し、医療費削減による利益率の恒常的な下落により、「売り手市場」から「買い手市場」に今まさに移行し始めています。
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傾向02
医療費削減などによる収益減
調剤報酬の減額、薬価差益の縮小などの医療費削減や、消費増税、後発品(ジェネリック)による在庫圧迫などの要因で、今後、調剤薬局は、益々収益減が加速し、経営環境が厳しくなることが予想されています。
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傾向03
異業種参入による競争激化
大手調剤薬局チェーンの出店・M&Aに加え、医薬品卸やドラッグストアなどの隣接業種が調剤事業を強化する他、商社やスーパーなど異業種からの参入など、競争激化により調剤薬局業界は、再編・淘汰の時代に突入しております。
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傾向04
慢性的な薬剤師不足、後継者難
少子化や薬学部の6年制への移行、国家資格合格率低下に伴い、薬剤師が慢性的に不足しています。また、大手企業の積極採用により、採用費や月額給与が高騰し、中堅・中小薬局にとっては、薬剤師確保の解決が大きな課題となっています。
さらに、医薬分業が進んだ1990年代に開業した薬局オーナーも60歳半ばとなり、子息不在や業界の将来不安もあることから、相応しい後継者がいない薬局オーナーが増えているのが現状です。
経営者として、自社の強みと追い風となる機会を生かすことも重要ですが、業界再編にさらされた状況下であれば、脅威と自社の弱みが重なったときに備え、様々な選択肢を準備しておくことが、会社・従業員・そして家族を守ることにつながります。 その有効な一つの選択肢こそが、M&A(第三者への承継)です。
調剤薬局業界における5つの競争要因(脅威)
中小調剤薬局のクロスSWOT分析
クロスSWOT分析とは、強み・弱みの内部環境と機会・脅威の外部環境をクロスさせ、様々な戦略オプションを検討する手法です。
調剤薬局業界における内部環境と外部環境の分析で、自社の経営戦略と具体的な戦術を立案して行かなければなりません。自社の「強み」「弱み」、業界の「機会」「脅威」の4つの要素をクロスさせて戦略の方向性を定めていきます。
※下記の表は左右にスクロールしてご覧ください。
内部環境 | |||
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外部環境 |
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表中のA~Dの戦略、御社はどのような具体策が考えられるでしょうか?
上の表の通り、調剤薬局業界では「脅威」「弱み」が「機会」「強み」に比べて数多く挙げられます。このことは、同業界が非常に厳しい環境にあるということ を示唆しております。この様な逆風の中で、有効な成長戦略を見出していかなければなりませんが、個々の企業によって置かれた状況と取るべき戦略は千差万別です。
私共の得意分野であるM&Aは、一つの選択肢にはなりますが、もちろん全ての企業にお薦めするべき方向性ではありません。お会いした際、私共が考える具体策をご説明させて頂くと共に、M&Aに囚われない経営戦略のプランニングをご相談出来ればと思います。
MACアドバイザリーは、
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